北宋湖田窯影青雲気文剔笠碗
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時代 北宋 湖田窯(景徳鎮)
銘款
サイズ 径18.7cm 高口径:15.5cm 高さ6.6cm
高台径:5cm 高台高さ約:6mm
口縁部厚:1mm強 壁部厚さ:2mm以下
笠形 重さ:193gさ4.1cm

青白磁は民窯品として一般の品々が多いですが、その中”影青”と称する”薄手”のものは景徳鎮の特芸品として骨董市場では人気が非常に高いです。 北宋景徳鎮(当時は”饒州”と称す)あたりは最初定窯写しとして青白磁を焼いていました。湘湖窯は有名な窯のひとつです。北宋の青白磁は刻文するのが普通です。極薄手の茶碗が出現したのは北宋後期でした。南宋になると印文が流行してから、胎地も若干厚くなりました。
(其のわけは”景徳鎮歴代用土解説”へご参照ください。)

影青器の用土は非常に純質な高温瓷土です。黒紫や黒黄土圏形窯足跡は必ず高台内に残ります。碗の中央に月のような丸い凹みがあります。この現象は、明の永楽窯の影青もあります。景徳鎮の轆轤の支え跡かと思います。手仕上げものは壁は弧線型で、幅のある旋状の起伏感があります。薄手の茶碗だとサイズ揃いのため、必ず型に合わせて整型するので、行き過ぎた凸凹も要注意です。
本物は指で叩くと銅音がします。それは必ずと言えるほど北宋影青器の特徴です(文献の記載では湖田窯の影青窯の温度は1300度ですから、非常に硬い磁器です。)

この品の壁の厚さが2mm足らずの超薄手は”脱胎器”と言います。胎がないようの意味です。碗内部中央および高台肩部釉が溜まるところから”蝦青” と形容する灰青色の釉面はぼんやりと青玉のような光沢を発します。碗内壁の刻文は”雲気文”という文様です(雲や霧の流れる様子を表す文様で、最初は後期青銅器と東漢古陶に見られる文様)

北宋影青器の刻文は竹刀を用いた片切りで、更に雲文の中央に竹の櫛で掻き文様を入れ、日本では”猫掻手”と呼びます。茶道には人気の文様です。この品の繊細な雲気文は大変魅力的です。文様削りは上手かどうかは、北宋影青器の鑑定に大変重要なことです。

この品に関して、特書すべきところは黄色沁みが多いところです。これは”土沁”とよばれる高古磁器の常見現象です、出来るまで2〜3百年が掛かると言われます。本物の土沁は表に出るのではなく、表釉と胎地の接合面、つまり表釉の裏側にあるのです。白い、黄色曇状なものが釉面内部に出来ています。 土沁表釉の薄いところに出来やすいので、これほど薄いものですから、表も裏もほぼ沁み出ています。ただし、碗中央部はまだそれほど沁み出ていません。手で触ると分かりますが、薄い釉面に沁みが多い。このルールに沿った土沁は年代によるものです。